鼹鼠もぐらもち)” の例文
モオルは鼹鼠もぐらもちと云う英語だった。この聯想れんそうも僕には愉快ではなかった。が、僕は二三秒の後、Mole を la mort に綴り直した。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
予が聞き及ぶところ、野槌の大きさ形状等確説なく、あるいは鼹鼠もぐらもち様の小獣で悪臭ありというが、『沙石集』の説に近い。
こんな日に鼹鼠もぐらもちのようになって、内に引っ込んで、本を読んでいるのは、世界は広いが、先ず君位なものだろう。それでも机の上にさっていなかっただけを、僕はめて置くね。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「海鼠さまのお通りだ。鼹鼠もぐらもち退いてくれ。」
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
モオルは鼹鼠もぐらもちと云ふ英語だつた。この聯想も僕には愉快ではなかつた。が、僕は二三秒の後、Mole を la mort に綴り直した。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
からこそ見つれ鼹鼠もぐらもち
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
僕は実際鼹鼠もぐらもちのやうに窓の前へカアテンをおろし、昼間も電燈をともしたまま、せつせと前の小説をつづけて行つた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしこの小みちのまん中にも腐った鼹鼠もぐらもちの死骸が一つ腹を上にして転がっていた。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしこの小みちのまん中にも腐つた鼹鼠もぐらもちの死骸が一つ腹を上にして転がつてゐた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)