“鼠壁”の読み方と例文
読み方割合
ねずみかべ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
箪笥の上にも何一ツこまごました物も載せられていないので、二階中はいかにもがらんとして古畳と鼠壁ねずみかべのよごれが一際ひときわ目に立つばかり。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お由はしづかにり起して、半分は寐ぼけてゐるやうな若い娘を寝床の上に起き直らせると、かれの黒い影は一方の鼠壁ねずみかべに細く揺れて映つた。蝋燭を差出す父の手がすこしくふるへてゐるからであつた。