鼓角こかく)” の例文
するとその日、四峡の谷に、鼓角こかくのひびき、旗の嵐が、忽然と吹き起って、一輛の四輪車が、金鎧鉄甲きんがいてっこうの騎馬武者にかこまれて突出とっしゅつしてきた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへ鼓角こかくの声がしたので、何事かと陣前へ出てみると、味方の秦良しんりょう軍が旗さし物を揃えて静々と近づいてくる。そして
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、その列が、陣門に近づくと、たちまち、見張りのやぐらからひょうひょうと鼓角こかくが鳴り、たちまち、鼓に答えて、一ぴょうの軍馬が前をさえぎった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜀の鼓角こかくは、天地をゆりうごかし、逃げ崩るる蛮軍を追って、ついに銀坑山ぎんこうざんの王宮を占領した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はて。これはどうしたものだろう?」と、ただ怪しみ疑っていると、たちまち一方の山陰から殷々いんいんたる鼓角こかくが鳴りひびき妖しげな扮装いでたちをした鬼神軍が飛ぶように馳けてきた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)