黒気こっき)” の例文
「そういえば昨夜、一陣の黒気こっきが立って、月白げっぱくの中空をつらぬきました。なにか、諸公のうちに、凶気を抱く者があるかと思われます」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや射たと思われたのに——一どう黒気こっきが矢をも高廉の影をも、墨のごとく吹きつつんでしまっていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火は風をよび、風はまた砂塵を呼んで、一すじの黒気こっきが濃い墨のように空中へ飛揚して行った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)