麦圃ばくほ)” の例文
作者は一望黄熟した麦圃ばくほの大景をも描かず、繁忙な麦秋の人事や、それに伴う埃っぽい空気をも描かず、正木の垣の間より瞥見した熟麦の色だけを捉えた。特色ある句というべきであろう。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
車は徐々に麦圃ばくほ穿うがち、茶圃を貫きて、山科やましなかたに向かいつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)