鬢附油びんつけあぶら)” の例文
平次は、油障子に大きないかりを描いた入口の隣——砥石といし鬢附油びんつけあぶらや剃刀やはさみを竝べた格子を指しました。
夏頃までは、鬢附油びんつけあぶらや松金油などの荷を背負しょっては、よくこの辺に行商に来ていた男で
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ローマの婦女ことごとくその真似もならず、香具師の工夫で驢乳を脂で固めて鬢附油びんつけあぶらごとき板とし売った。タヴェルニエー説に、東欧のノガイ人は馬肉や馬脂を熱して金創にけ、神効ありというと。
顏へすゝを塗る手は古いが、眼尻へ鬢附油びんつけあぶらを塗つて、頬の引つつりをかうで拵へるとは新手あらてだつたね。
『——かんざしくださいな。……有りません……じゃあ鬢附油びんつけあぶら
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)