鬚根ひげね)” の例文
ある時、何かの事で葡萄の木の下を掘つてゐた欣之介は、土の中から出て来た水気のないせた鬚根ひげねつまみ上げて、はげしい痛ましさを覚えた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
鬚根ひげねがぼろぼろした土をつけて下がっている、えた赤土のなかから大きな霜柱が光っていた。
雪後 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
それが後にその地下茎が枯死して朽腐きゅうふすれば、ここに独立した南天の株となる。この地下茎は痩せ、長い円柱形で黄色を呈しており、低い節があってその節から鬚根ひげねが輪生している。