高天原たかまのはら)” の例文
「すなわち高天原たかまのはら皆暗く、葦原中国あしはらのなかつくにことごとにくらし」というのも、噴煙降灰による天地晦冥かいめいの状を思わせる。
神話と地球物理学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「西さんそこへと飛んで來て、何をするかと見てあれば、高天原たかまのはらかんずまり、かゝの腹に子がやどる。……」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「それでは、お姉上さまにおいとまいをしてこよう」とおっしゃりながら、そのまま大空の上の、高天原たかまのはらをめざして、どんどんのぼっていらっしゃいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
高天原たかまのはら神留かんづまります皇親すめらがむつ神漏岐かむろぎ神漏美かむろみみことをもちて、大山祇大神おほやまつみのおほんかみをあふぎまつりて、青体あをと和幣三本にきてみもと白体しろとの和幣三本を一行ひとつらに置き立て、種々くさぐさのそなへ物高成ものたかなして神祈かむほぎに祈ぎ給へば
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
上は高天原たかまのはらまでもあかあかと照らし、下は中つ国までいちめんに照りかがやかせておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
まず天と地とができあがりますと、それといっしょにわれわれ日本人のいちばんご先祖の、天御中主神あめのみなかぬしのかみとおっしゃる神さまが、天の上の高天原たかまのはらというところへお生まれになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)