養家ようか)” の例文
養家ようか事件でその特色を強く胸のうちり付けられた私が、これは様子が違うと明らかに意識したのは当然の結果なのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
多助は少しもすきがありませんで稼ぎますのは、追々金を貯めて国へ帰り、養家ようかへ恩返しをしようと云うので、後には地面の二十四ヶ所も持つようになりますが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
養家ようかひんしたため十五歳で京都の妙心寺みょうしんじに小僧にやられ、名を十竹じっちくともらい、おいずるを負うて、若いあいだ、南都なんと高野こうや、諸山を遍参へんさんして、すこしばかり仏法をかじったり、一切経いっさいきょうを読んでみたり
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに付け足して、Kが養家ようか折合おりあいの悪かった事や、実家と離れてしまった事や、色々話して聞かせました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれども一方ではまた妙に彼を信じていました。学資の事で養家ようかを三年もあざむいていた彼ですけれども、彼の信用は私に対して少しも損われていなかったのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)