飜筋斗もんどり)” の例文
新字:翻筋斗
廣い玄關には洋燈ランプの光のみ眩しく照つて、人影も無い。渠は自暴糞やけくそに足を下駄に突懸けたが、下駄は飜筋斗もんどりを打つて三尺許り彼方に轉んだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
少しく体を前へかがめると、飜筋斗もんどり打って転げちるであろう。う思うと、飲料のみものを用意していない彼はいよいかわきを覚えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
武太夫の体は飜筋斗もんどりを切って、だだだだだと梯子段を転げ落ちた。
松林蝙也 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)