顔打背かほうちそむ)” の例文
四辺あたり往来ゆききのあるにあらねば、二人の姿はたちまち彼の目に入りぬ。一人は畔柳の娘なりとはく知られけれど、顔打背かほうちそむけたる貴婦人のまばゆく着飾りたるは、子爵家の客なるべしとわづかに察せらるるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)