頬冠ほつかぶ)” の例文
まだ若さうな着流し、彌造が板について、頬冠ほつかぶりは少し欝陶うつたうしさうですが、素知らぬ顏で格子から赤いお神籤を解く手は、恐ろしく器用です。
男は皆な頬冠ほつかぶり、女は皆な編笠あみがさであつた。それはめづらしく乾燥はしやいだ、風の無い日で、汗は人々の身体を流れたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)