革巻かわまき)” の例文
くさりが巻きつけてあるのである。鎖の先には分銅がついている。そのほかに一本の革巻かわまきの野太刀を差し、年頃四十二、三はたしかなところ。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
裁著たっつけの腰に革巻かわまきの野太刀の背にふさわしい長やかなのを横たえ、五条大橋の方から風のように疾く駈けてきたが、そこの辻にたたずんで笑いあっている一群ひとむれを見ると近づいてきて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、最前から彼方かなたの草のなかに、腕ぐみをしながらのそりと立っていた大男があって、もう見るにたえないと思ったか、大きな革巻かわまきの太刀を横につかみながら範宴の方へ駈けてきた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると——いつのまにやら彼の後ろから入ってきて、のっそりと突っ立っていた隣の野武士ていの若い男が、左手ゆんでげている革巻かわまきの刀のさやで、わめいている亭主の横顔を、がつんとなぐった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)