面相めんそう)” の例文
塩瀬はちょっと驚ろいて振り向いたまでは、粗忽そこつをして恐れ入ったと云う面相めんそうをしていたが、高柳君の顔から服装を見るや否や、急に表情を変えた。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女中さんは寝てしまう、妻が茶や菓子をもって来る。その面相めんそうたるや頗る険悪けんあくである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
で、朱にしても、生臙脂しょうえんじにして、墨一ちょう面相めんそう一本でもなかなか金銭が掛かります。
公にられぬようにこっそりのぞいて見るとさも痛そうな顔色をして痛みある局部をみずからさすっていても、誰か病室に入れば、ただちに面相めんそうを変え、痛みなきふうをよそおったという。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
お代が本家へ帰りし間もなく、本家の父は面相めんそう変えて大原の家へ入り来れり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
にんじんの面相めんそうは、まずまず、人に好感をもたせるようにできていない。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
教育家の面相めんそう
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)