青銅像ブロンズ)” の例文
卓上のクロッカスの鉢植えの花は、睡むそうに首を垂れめた。本棚の上に置かれてあるバスコダガマの青銅像ブロンズの額の辺へも陰影がついた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
僕はたゞ君に預けたあの青銅像ブロンズの、これこそ正銘に何時も同じ顔だけを保つてゐる僕の顔に、君を見るやいなや突然会ひたくなつたゞけのことだ。
凩日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
雪のように白い絹で張りつめられた壁にかゝっているクールベエらしい風景画にも炉棚マンテルピースの上の少女の青銅像ブロンズにも、夫人の高雅な趣味が光っていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
思うに、この青銅像ブロンズの作者は、もののあわれを知った人だったのだろう。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
桃花心木マホガニイの小さい書架に、並べてある美しい装幀の仏蘭西フランスの小説にも、雪のやうに白い絹で張りつめられた壁にかゝつてゐるクールベエらしい風景画にも炉棚マンテルピースの上の少女の青銅像ブロンズにも
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)