離叛りはん)” の例文
氏家広行は大垣の城主で、いわゆる地侍の頭目とうもくである。岐阜の抑えとして、その氏家だけを留めておくのは、不安な上に、或いは、神戸信孝と通じて、離叛りはんせぬ限りもない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汐田は入学当時こそほんの二三回そこへ寄ってれたが、環境も思想も音を立てつつ離叛りはんして行っている二人には、以前のようなわけへだて無い友情はとても望めなかったのだ。
列車 (新字新仮名) / 太宰治(著)
工藝を去って美術に転ずるのは、工藝からの離叛りはんではないか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
信長に離叛りはんして、しかもその上、駿府の今川家からは
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)