“雑太(さわた)” の例文
佐渡の国府(こふ)は雑太(さわた)という所にある。正道はそこへ往って、役人の手で国中を調べてもらったが、母の行くえは容易に知れなかった。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「島の御守護、本間山城ノ入道殿のおいとこ様でございますよ。やはりこの雑太(さわた)ノ郷(ごう)のうちではございますが、入道殿のお住居になっている檀風(だんぷう)のお城とは、ちょっと離れておりまする」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折も折、鎌倉からは、処刑の使者が、はや雑太(さわた)ノ城へ来ていたのである。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「入道殿にも、いちど、そちを連れまいれとのおことばだ。そちも冬中は佐渡に逗留(とうりゅう)していたいそうだが、雑太(さわた)ノお城の、お物具蔵(もののぐぐら)の手入れでも仰せつかったら、これや冬中でも仕事はすむまい」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)