“陰刻”の読み方と例文
読み方割合
いんこく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下絵は当時の著名な書家や画家が描いたようであるが、後にはただ名を借りたものが多いようである。専門の彫師ほりしがあって陰刻いんこくしこれに黒の象嵌ぞうがんを入れた。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
陰刻いんこくな冬が彼岸ひがんの風に吹き払われた時自分は寒いあなぐらから顔を出した人のように明るい世界を眺めた。自分の心のどこかにはこの明るい世界もまた今やり過ごした冬と同様に平凡だという感じがあった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)