降雪ゆき)” の例文
この降雪ゆきに、どこにいることか——当り矢のころからのことが走馬灯そうまとうのように一瞬、栄三郎の脳裡のうりをかすめる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこから、二ちょう拾って日本橋へ走らせた。いつのまにか、空気が寒くひき締まって、降雪ゆきを思わせていた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かの第六天篠塚稲荷の地洞じどうに左膳とともに一夜を明かしたのち左膳はそのまま、お藤の盗って来た坤竜を引っつかんで、まんじともえ降雪ゆきのなかを飛び出して行ったきり、ふたたび
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
チラチラチラと闇黒に白い物の舞っているのは、さては降雪ゆきになったとみえる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二人は、どっちからともなく、降雪ゆきの中に、膝を包んでしゃがんでいた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)