降人こうにん)” の例文
一群れ、一団ずつ、武器をりあげられて、降人こうにんとなる組があるし、反抗して、大薙刀おおなぎなたで、首を打ち落されている者や、組み敷かれて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「木曽殿の身内で、今井、樋口、楯、根井と申さば天下に聞えた方ではあるが、木曽殿が討たれ給い、今井殿も自害なさった今となっては、差支えあるまいと我々は考え申す。我らの中へ降人こうにんになり給え。手前どもの勲功の賞に替えてでも、お命はお助け申そう」
雑賀党は、一瞬のまに、根来の潰滅かいめつを見せられ、また秀吉軍の疾風迅雷しっぷうじんらいの勢いに驚き怖れて、戦わずして、雑賀孫一さいがまごいち以下の重なる徒党は、みな降人こうにんに出て、秀吉に伏した。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)