シキミ)” の例文
姫は、大門のシキミを越えながら、童女殿上ワラハメテンジヤウの昔のカシコさを、追想して居たのである。長い甃道イシキミチを踏んで、中門に屆く間にも、誰一人出あふ者がなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
姫は、大門のシキミを越えながら、童女殿上ワラハメテンジヤウの昔のカシコさを、追想して居たのである。長い甃道イシキミチを踏んで、中門に屆く間にも、誰一人出あふ者がなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
姫は、大門のシキミを越えながら、童女ワラハメ殿上テンジヤウの昔のカシコさを、追想して居たのである。長い甃道イシキミチを踏んで、中門に届く間にも、誰一人出あふ者がなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
浄域をケガした物忌みにこもつてゐる身、と言ふことを忘れさせぬものが、其でも心の隅にあつたのであらう。門のシキミから、伸び上るやうにして、山のの空を見入つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)