間引まび)” の例文
幾何模様のように枝を間引まびかれてしまったので、地境い一帯が、むやみに陽あたりがよくなっている。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
高原を拓いて、間引まびいた疎らな木原こはらの上には、もう沢山の羽虫が出て、のぼつたりさがつたりして居る。たつた一羽の鶯が、よほど前から一処を移らずに、鳴き続けてゐるのだ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何事もたやすからずよ菜間引まびくも
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)