ここは土佐とさの国浦戸うらどの城中。大館の広庭では、領主長曾我部元親ちょうそかべもとちかをはじめ家臣のならぶ前で、いましも二人の武士が試合を始めようとしているところであった。
だんまり伝九 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この刀をもって物を斬った話、古くは源頼光みなもとのらいこうの童子切と、近代では長曾我部元親ちょうそかべもとちかが何とやらしたという話、そのほかはおそれかしこんで神棚へ祀るほかには能事がない。
さる場合には、われらは、雑賀さいが根来ねごろの僧徒をかたらい、四国の長曾我部元親ちょうそかべもとちかどのは、瀬戸内の海賊衆をも引き具して、時を一つに、大坂表へ攻めのぼらんと存ずるのでござる
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頑然がんぜん、信長に対抗している敵は、由来、長曾我部元親ちょうそかべもとちかであったが、信長は、その敵に対して、三好みよしの一族を遠くから援護して当らせ、ともかく今日までは、その伸展しんてんを制して来た。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四国の長曾我部元親ちょうそかべもとちかへも、彼はすでに、この帷幕から書簡を持たせて急使を立てた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紀州の畠山貞政はたけやまさだまさ根来ねごろ雑賀党さいがとう。そして四国の長曾我部元親ちょうそかべもとちかなどがその組だ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)