鐘鼓しょうこ)” の例文
甘寧は、鐘鼓しょうこを鳴らして、船歌高く引きあげたが、戦がやんでも、黄濁な大江の水には、破船の旗やら、焼けたかじやら、無数の死屍ししなどが、洪水のあとのように流れていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「礼と云い礼と云う。玉帛ぎょくはくを云わんや。がくと云い楽と云う。鐘鼓しょうこを云わんや。」などというと大いによろこんで聞いているが、曲礼きょくれいの細則を説く段になるとにわかにまらなさそうな顔をする。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)