鋸葉のこぎりは)” の例文
さかに立てたのは二枚折の銀屏ぎんびょうである。一面にえ返る月の色のほう六尺のなかに、会釈えしゃくもなく緑青ろくしょうを使って、柔婉なよやかなる茎を乱るるばかりにいた。不規則にぎざぎざを畳む鋸葉のこぎりはを描いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)