“鉄檻”の読み方と例文
旧字:鐵檻
読み方割合
てつおり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「とはいっても、先きも軽業お初だ。あんまり安心していると、鉄檻てつおりでも脱けかねねえ奴——おめえの方も、きびきびらかす心支度が出来たかな?」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
拳闘場けんとうじょう鉄梯子道てつばしごみちの岐路でこの二人が出会っての対話の場面と、最後に監獄の鉄檻てつおりの中で死刑直前に同じ二人が話をする場面との照応にはちょっとしたおもしろみがある。
映画雑感(Ⅳ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
準備が整って予定の時刻が迫ると、見物人らは一定の距離に画した非常線の外まで退去を命ぜられたので、自分らも花屋敷はなやしき鉄檻てつおりの裏手の焼け跡へ行って、合図のラッパの鳴るのを待っていた。
Liber Studiorum (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)