“鈍麻”の読み方と例文
読み方割合
どんま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしろ動きやすくなっているのだが、それは悲哀の方にであって、笑いの方には鈍麻どんましている。五郎から笑いはなくなった。妙に涙もろくなって来た。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
それも普通の方法では、漢青年の疑惑を避けることができないから、あのような面倒な道具建どうぐだてをし、の青年の知覚を鈍麻どんまさせて、あの狂言をうったのさ。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
機銃のやうにはじき出される騒音に聴覚をすつかり鈍麻どんまさせ、眼ばかり神経質に光らせながら、あるひはえしをれ、あるひは却つて毒々しく照り映えて、ひしめき揺らいでゐるのだつた。
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)