釣瓶井戸つるべいど)” の例文
が、すぐに戸口をはいろうとはしないで、積った雪を踏んで裏手の方へ廻ってみた。おしおの家の裏手には長屋じゅうで使うようになっている釣瓶井戸つるべいどがあった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
家の袖を廻つて、へいに圍まれた穴ぼこのやうなところに、四五軒で使ふ釣瓶井戸つるべいどがあつたのです。
地蔵行者じぞうぎょうじゃ菊村宮内きくむらくないは、お長屋ながや釣瓶井戸つるべいどで、足軽あしがるたちと一しょに口をそそいでいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その家の傍には釣瓶井戸つるべいどがあったので、のどがかわいていた私たちは水を無心した。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)