野遠見のとおみ)” の例文
今夜は野遠見のとおみへ、あかあかと銀紙の月さしだし、月下、艶かしい首抜き浴衣の悪婆を中心に、またしても世話だんまりを身振り面白く展開させた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
……間髪をいれず、そのときうしろ幕が落ち、野遠見のとおみとなり、すこんからんと見得を切ったがそのまた型の悪さ。「音羽屋」と声かける客さえなかった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
うすものひとつになって圓朝は、この間内あいだうちから貼りかえたいろいろさまざまの障子のような小障子のようなものへ、河岸の景色を、藪畳を、よしわらを、大広間を、侘住居わびずまいを、野遠見のとおみを、浪幕を
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)