野辺送のべおく)” の例文
旧字:野邊送
間もなく野辺送のべおくりの一行は順に列をつくって、寺道の方へ動き出した。高く掲げた一対の白張提灯しらはりぢょうちんを案内にして、旧庄屋の遺骸がそのあとに続いた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
心臓のやまいさえ併発して医薬の効なくつい遠逝えんせいせられ、涙ながらに野辺送のべおくりを済ましてよりいまだ四十日を出でざるに、叔母上またもそのあとを追われぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
または年祝としいわいといって老人の長命を祝う日、いっぽうにはまた人がくなって野辺送のべおくりをする後先あとさきから、しだいに月日つきひがたって月忌げっき年忌ねんきの祭りをする日まで
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)