醜穢しゅうえ)” の例文
彼は自分の肉体に、あらゆる醜穢しゅうえを塗り付けた後、自分の心の状態が如何に落魄らくはくするだろうと考えて、ぞっと身振みぶるいをした。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
穏やかな方の人々が次第にひき上げてゆくと共におとなしい趣がなくなり、夜更けがあらゆる種類の醜穢しゅうえ
群集の人 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
醜穢しゅうえなる俗界の通弁となりてその嘲罵ちょうばするところとなり、その冷遇するところとなり、終生涙を飲んで寝ての夢覚めての夢に郎を思い郎を恨んで、遂にその愁殺するところとなるぞうたてけれ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)