へり)” の例文
新字:
そして小さな細かい氣泡が、茶碗の表面に浮びあがり、やがて周圍のへりに寄り集つた。その時私はまた一つの角砂糖を壺から出した。
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
此蟲が飛び跳ねてゐる最中、毛むくじやらのふくれた腹の處から、蜘蛛が出て來て、幻術の書のへりを這つて行く。
サバトの門立 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
そして暫らく、眞中にかたまり合つて踊りながら、さつと別れて茶碗のへりに吸ひついて行つた。それは丁度、よく訓練された團體遊戲マスゲームが、號令によつて、行動するやうに見えた。
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)