遵奉じゆんぽう)” の例文
和歌の字餘りには古來遵奉じゆんぽうし來れる法則あり。即はち「ア」「イ」「ウ」「オ」の四母音ある句に限り字餘りを許したるなり。
字余りの和歌俳句 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
成程舊い道徳どうとくなわでは、親は子供の體を縛ツて家の番人にして置くことが出來るかも知れぬが、藝術の權威を遵奉じゆんぽうする自分の思想は其の繩をぶちる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
彼等ハ本国いぎりすノ国家ノ強ヒル宗教ヲ信ズルコトヲがへンゼザルナリ、制度ハ国ノ制度ヲ遵奉じゆんぽうセザルカラズトイヘドモ、信仰ハ自由也、国家ヨリ賦課セラルベキモノニアラズ。
成程なるほど、自分は変つた。成程、一にも二にも父の言葉に服従して、それを器械的に遵奉じゆんぽうするやうな、其様そん児童こどもでは無くなつて来た。成程、自分の胸の底は父ばかり住む世界では無くなつて来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)