適切てつきり)” の例文
浮世の戦ひに疲れて、一刻と雖ども安心と云ふ気持を抱いた事の無い野村は、適切てつきり長野を入れたのは自分を退社させる準備だと推諒した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
浮世の戰ひに疲れて、一刻と雖ども安心と云ふ氣持を抱いた事のない野村は、適切てつきり長野を入れたのは、自分を退社させる準備だと推諒した。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
隔離病舎に収容された晩などは知覚が朦朧になり、妄言たはごとまで言つた位。適切てつきりチフス性の赤痢と思つて加藤も弱つたのであるが、三日許りで危険は去つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)