道伴みちづ)” の例文
罪の道伴みちづれとなった不運の宗一の可憐な写真や薄命の遺子の無邪気に遊び戯れるのを見ては誰しも涙ぐまずにはいられなかった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
別に周の世を悲しむといったような派手なメアテが在った訳ではなかったし、聖人でも何でもない。憐れな妻子が道伴みちづれだったのだから尚更なおさらである。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
、自分で捨てるなどということは罪だ、ことにこんな小さな子供まで道伴みちづれにするというのはね、——みんなが見殺しにできなかったのは当然のことだよ
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ある時内田はもう娘らしく生長した葉子の手を堅く握って、「お前は神様以外の私のただ一人の道伴みちづれだ」
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
読者のための救いであっても詰まらない。それは飜訳そのものの救いでなければならず、そのためにはやはり、飜訳の論理は、生理や心理を道伴みちづれに永遠に苦しんで行くほかはないのである。
翻訳の生理・心理 (新字新仮名) / 神西清(著)
「そいつは困るぜ、二人はただの道伴みちづれだ」
七千年前の旅人と道伴みちづれになろう。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
廻ったんじゃアしょうが無え、なかなか骨が折れますよ、泉州のやつなんぞに道伴みちづれになりァ型なしでがんす、堺の刃物と云えば、文句なしに上ものとしてまさ、それにこの頃じゃア、四国は高知の刃ものがぽつぽつはいって来やしたで——
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
こうした趣味の道伴みちづれとして私を選んだのが、飛んでもない間違いであった……私の中には彼女の想像した以上の恐ろしいものが潜んでいた……という事実までも
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)