遁惑にげまど)” の例文
ひて遁惑にげまどひしゆゑか、むさぼりて身を忘れし故か、とにもかくにも主夫婦あるじふうふはこの火の為に落命せしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お珊に詰寄る世話人は、また不思議にも、蛇が、蛇が、と遁惑にげまどうた。その数はただ二条ふたすじではない。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)