通史つうし)” の例文
都では巫蠱ふこの獄が起こり戻太子れいたいしの悲劇が行なわれていたころ、父子相伝ふしそうでんのこの著述がだいたい最初の構想どおりの通史つうしがひととおりでき上がった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
古今を一貫せる通史つうしの編述こそは彼の一生の念願だったのだが、単に材料の蒐集しゅうしゅうのみで終わってしまったのである。その臨終りんじゅうの光景は息子・せんの筆によって詳しく史記しきの最後の章に描かれている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)