はるか)” の例文
仏国大革命の跡方を見ると、誰でもそうだと合点するだろう。革命時代の仏国文明は支那現在の文明よりもはるかに進んでいた。
しかしその健脚はわたくしのたぐいではなかった。はるかにわたくしにまさった済勝せいしょうの具を有していた。抽斎はわたくしのためには畏敬いけいすべき人である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
はるかに高い出所でどころを有せなくてはならんのです。
東京に来て桑田衡平くわたこうへいの家の学僕になっていて、それからこの学校にった。よわいは保より長ずること七、八歳であるのに、級の席次ははるかしもにいた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこで石田は春を勝手へ下らせて、跡で米の量を割ってみた。陸軍でめている一人一日精米六合というのをはるかに超過している。石田は考えた。自分はどうしても兵卒の食う半分も食わない。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)