返報しかへし)” の例文
為る時為さで置くべき歟、酸くなるほどに今までは口もきいたが既きかぬ、一旦思ひ捨つる上は口きくほどの未練も有たぬ、三年なりとも十年なりとも返報しかへしするに充分な事のあるまで
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
とく時機ときの来よ此源太が返報しかへし仕様を見せて呉れむ、清吉ごとき卑劣けちな野郎の為た事に何似るべき歟、てうなで片耳殺ぎ取る如き下らぬ事を我が為うや、我が腹立は木片の火のぱつと燃え立ち直消ゆる
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)