迂闊うくわつ)” の例文
見識けんしき迂闊うくわつ同根也どうこんなり源平げんぺい桃也もゝなり馬鹿ばかのする事なり。文明ぶんめいぜにのかゝらぬもの、腹のふくるゝものを求めてまざる事と相見あひみ申候まうしそろ。(十四日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
「あんな方の奧さんになるひとは隨分氣骨が折れるでせうね。何でもよく知つてらつしやるんだから迂闊うくわつなことは出來ますまいよ。」と話をらさうとした。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
「成程尤も、年上の拙者が、それに氣が付かないとは迂闊うくわつ千萬」
「そして、貞ちやんや光ちやんはどうなりました?」と、お梅が傍から口を出したが村上は差し當つてのつた川村家の事情を迂闊うくわつにお梅などには打ち開けないで、曖昧に言ひ濁した。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)