トップ
>
迂遠
>
うゑん
ふりがな文庫
“
迂遠
(
うゑん
)” の例文
さういふ
処
(
ところ
)
は
拠
(
よんどころ
)
なく
捨
(
すて
)
置いていつか分る時もあらうと
茫然
(
ばうぜん
)
と
迂遠
(
うゑん
)
な区域に
止
(
とど
)
め
置
(
おい
)
て、別段
苦
(
くるしみ
)
もいたしませんかつた。
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
たゞ予習復習の奮励が教室でめき/\と眼に立つ成績を挙げるのを楽しみにした。よし頭脳が
明晰
(
めいせき
)
でないため
迂遠
(
うゑん
)
な答へ方であつても、答へそのものの心髄は必ず的中した。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
何んの詮索もしなかつたのは
迂遠
(
うゑん
)
で、その後夜毎の火事にしても、江戸の諸方から一度に火の手の擧がる樣子は、どう考へても、多勢の者が連絡して、八方から火を放つとしか思はれず
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だつて見たかつて云へば、見合ひぢやないか。君のムツタアも亦、
迂遠
(
うゑん
)
だな。見せる
心算
(
つもり
)
なら、前へ坐らせりや好いのに。後にゐるものが見える位なら、こんな二十銭の弁当なんぞ食つてゐやしない。」
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
錢形の平次もまことに
迂遠
(
うゑん
)
千萬、此時漸く氣が付いて、女が置いて行つた包を開いて見ると、中からは小判が三百兩、切餅の封も切らず、盜られた時のまんま、そつくり入つて居たのです。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“迂遠”の意味
《名詞》
迂遠(うえん)
道などが曲がりくねって遠いこと。
まわりくどいこと。実際の役に立たないこと。
世情にうといこと。
(出典:Wiktionary)
迂
漢検準1級
部首:⾡
7画
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
“迂遠”で始まる語句
迂遠千万