辞句じく)” の例文
旧字:辭句
「はははは。そうらしいな。寒さを克服なさるため、足拍子あしびょうしにあわせて、書物のうちのお好きな辞句じくでも、吟誦ぎんしょうしていらっしゃるのであろう」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの女が読むと、かの女の感情が、文を生かして、わずかな辞句じくにも、深味が加えられ、聞く者みな、涙をながした。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ辞句じく鄭重に四年まえに結んだ和睦のことに言及して、以来、異心なきにかかわらず、自分の遠征の留守に、割ヶ嶽の城を攻められたのはいかなるわけか——と、極めて
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この国の先賢せんけんの遺書に主君をしいしてもよしなどという辞句じくが、一字でもあったでしょうか
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)