軍立いくさだ)” の例文
「心憎き軍立いくさだてではある。遺憾ながらわが兵は疲れ、彼の士気はいよいよたかい。——かず、明日を期せん」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軍立いくさだてのことは、次の会に改めてはかるといたして、今宵は、盟約の酒もりとしよう。ご異議ないか」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軍立いくさだちの日、不知哉丸も使者へ渡すべしと、申しつかっておりました。……どうして高氏の、三河の隠し子のことまでを、高時公が御存知ありしか、その辺はわからぬが
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さすがは魏の勢、雄壮を極めている。さきの夏侯楙かこうも軍立いくさだてとは較べものにならない」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鹵城ろじょうにある蜀兵を、深く探ってみましたところ、案外少数です。大軍と見せていたは孔明の軍立いくさだてによる用兵の妙で、味方の兵力をもって包囲すれば、おそらく袋の鼠でしょう」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)