蹶立けた)” の例文
かかる席につらなりては、口利くちきくだにずかしきものを、いざさらば帰るべしとて、思うままに言いののしり、やおらたたみ蹶立けたてて帰り去りぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
軍馬のひづめが、滅茶滅茶に土を掘り返し、その土をまた兵が蹶立けたてるからである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ボートは闇の海上に、白波を蹶立けたてながら、沖に向って走りだした。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
秋の浪蹶立けたて帰りし船ぞこれ
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)