蹲居しゃが)” の例文
岩鼻に蹲居しゃがんでさわやかな微風に頸元くびもとを吹かれながら、持前のヒポコンデリアに似た、何か理由のわからない白日の憂愁にとらわれていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
三人は大声で笑い興じながらちょうど二人の対岸まで来た二人の此処ここ蹲居しゃがんでいることは無論気がつかない。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
こう口の中で呟いたかと思うと、彼のそば蹲居しゃがんでいた二十四五の若者へ、顎でしゃくって合図をした。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)