“足尾(あしお)” の例文
春の日脚(ひあし)の西に傾(かたぶ)きて、遠くは日光、足尾(あしお)、越後境(えちござかい)の山々、近くは、小野子(おのこ)、子持(こもち)、赤城(あかぎ)の峰々、入り日を浴びて花やかに夕ばえすれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
一方は山、一方は湖水を見はらしてうねる細道、右すれば山越し二里にして足尾(あしお)、左すれば近くCの旅館街を通って日光に下る。二つに一つ、外に逃げ道は絶対にない。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その年の秋、日光から足尾(あしお)へかけて、三泊の修学旅行があった。「午前六時三十分上野停車場前集合、同五十分発車……」こう云う箇条が、学校から渡す謄写版(とうしゃばん)の刷物(すりもの)に書いてある。
父 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
足尾(あしお)の坑夫のおかみさんたちが、古河(ふるかわ)男爵夫人に面会を求めるために上京した。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
人好きのする美人で、足尾(あしお)の古河市兵衛氏の囲いものだった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)