資産しんだい)” の例文
資産しんだいはむしろ実家さとにもまさりたらんか。新華族のなかにはまず屈指ゆびおりといわるるだけ、武男の父が久しく県令知事務めたるに積みしたから鉅万きょまんに上りぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
うちでも御祈祷してもらいたいと頼んで来たのは、横浜のドル相場で資産しんだいをこしらえ、メキメキと派手な暮しを展開してきた、古鉄から鉄物問屋になった四ツ岸だった。
俺も働いて資産しんだいをつくったのだという威張りと、亭主が、横浜まで裸で、通し駕籠かごにのって往来ゆききしたというほど野蛮で、相場上手だったので運をつかんだのだが、理想が鬼眼鏡だから