豪壮ごうそう)” の例文
旧字:豪壯
衆智しゅうちをあつめて衆智を越え、東山様式の因習いんしゅうを破り、大がかりなこと、豪壮ごうそう華麗かれいなこと、天下の耳目じもくをあつめるに足りた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ブラウエンベルグ氏は壁炉にはじめて薪を焚かせると、しきりに豪壮ごうそうな咳払ひをしながら、ひとり満悦の態だつた。
灰色の眼の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
と、いうが如き豪壮ごうそう矢唸やうなりがあった。しかも阿能局の運んで来た矢数も忽ち射尽してしまったほど、矢つぎ早であった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
姫路の小城と比較しては、少年の目にすら、余りにもちがう安土城の豪壮ごうそう絢爛けんらんに唯もうつばをのんでいる姿だった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天子の御叡覧ごえいらんにそなえ奉るはれの日にてあるぞ。明国みんこく、南蛮、西夷せいいの国々へまで聞えわたるわが国振くにぶり武家式事ぶけしきじぞ。心いっぱい豪壮ごうそうせよ、美術せよ、われとわが姿と行動とを芸術せよ
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あたりの豪壮ごうそうに圧されて、彼は急に、貧相なわが身が顧みられるのだった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)