譲位じょうい)” の例文
それより前に、義良よしながには立坊りつぼう立太子りったいし)の議がきまっていたので、崩御の前日、譲位じょういがおこなわれ、即位は、後日に約された。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千三百九十九年国民が三十三カ条の非を挙げてリチャード二世に譲位じょういをせまったのはこの塔中である。僧侶、貴族、武士、法士の前に立って彼が天下に向って譲位を宣告したのはこの塔中である。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただしく、先帝から新天子へ、儀式をもって、譲位じょういのしるしを、授受あらせられたからには、物が何であろうと、それは問うにおよばない。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幼君では国政軍事、成り難しとあって、周の一将軍趙氏ちょうしが、全軍から推戴されて、その帝位を代っていだ。——これがそうの太祖であり、この史事を世に「陳橋ちんきょう譲位じょうい
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)