診断みたて)” の例文
旧字:診斷
お医者の診断みたては大てい察しがついたし、またそうした宣告を聞かされるのが辛かったのです。僕は臆病と恥かしさで、それっきりになっていました。
誤診 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
日本橋新乗物町に舟見ふなみ桂斎という町医者がありましたが、診断みたても調合も上手だというのでなか/\流行っていました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
徒士はどんな医者でもが、病人が自分の診断みたて通りに返事をして呉れるのを喜ぶものだといふ事をよく知つてゐた。
「ふうん……医者の診断みたては、なんだというんだ」
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「専斎殿、お診断みたては?」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
真実ほんとうの事をいふと接吻きつす賭博ばくちや、医者の診断みたてと同じやうに生きてゐるうちにすべき事で、宗教家の言ふ所によると、何でも宗教さへ信じて置けば借金などは打拾うつちやつて置いても差支さしつかへないものらしい。
「医者の診断みたてはどうなんです」
顎十郎捕物帳:24 蠑螈 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)